今回は正月ということに因んで、もちっ子の紹介をしようと思います。
もちっ子は東芝製の家庭用餅つき機です。
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東芝 もちつき機 2合~1升用 グランホワイトTOSHIBA もちっ子生地職人 PFC-M116-W 新品価格 |
正月になるとおばあちゃんおじいちゃんの家で使ったりする家庭も多かったのではないでしょうか?
かく言う私も祖母がお餅を作ってくれた思い出があります。
余談ですが、私はからみ餅が大好きです。
からみ餅のことを考えると口の中が餅を食べる準備をし始めてしまいます。
祖母は数年前に残念ながら亡くなったのですが、昨日実家に帰った際、もちっ子を受け継いだ母が数年振りに、もちっ子を使い、餅を作ってくれました。
改めて見るともちっ子はすごい発明だと思ったので、このブログにアップします。
もちっ子は、単純な構造ですが、「蒸す」と「つく」ができる優れものです。
1960年代には、もちをつく機械が発明されたらしいですが、その時はまだ「つく」しかできませんでした。
そのため、あらかじめ蒸しておいたもち米を機械に入れていました。
その様な背景から「蒸し終えたら、そのまま同じ臼(容器)の中でつく作業ができないだろうか」という課題が出てきたそうです。
更に「つくだけの機械」に、「蒸すためのボイラー」をいかに組み込むかがを考え、知恵を出し合って試作と実験を繰り返した結果、臼の下のモーター反対側に空間を確保し、ボイラーを組み入れることに成功したそうです。
努力の結果です。
しかし、まだ解決すべき大きな問題がありました。
それは、もちの「食感」と「ねばり」でした。
そこで、「杵つきのもち」に近づけるかを研究し、臼の底に取り付けた羽根の形と回転数を変えては、実験を繰り返したそうです。
その結果、羽根の回転はできるだけ遅い方が、もち米の組織を傷めにくいことがわかり、羽根は1枚羽根とし、モーター直結でなくベルトで減速する構造にしました。
また、臼や羽根の表面はフッ素樹脂加工にしました。
するともちのつき加減もよく、何よりもつき終わった後のもちが非常に取り出しやすくなりました。
このような試行錯誤の末に東芝は、1971年日本初の家庭用もちつき機「もちっ子」を発売しました。
お店で実演をはじめると、大変な人だかりができたそうです。
もち米がくるくる回りながら、徐々にもちに変化する様は、見た目もおもしろく、「もちっ子」は爆発的に売れだしたそうです。
確かにあのもちになる様子は自分も感動した記憶があります。
この様な試行錯誤の結果、課題を解決し、1台で「蒸す」と「つく」の2つの機能をもたせることができました。
1976年、市場はピークを迎え、その後は減少していますが、羽根を回して調理する技術は、近年ブームにもなったホームベーカリーなど他の機器にも活かされているそうです。
発展した優れた発明の例だと思います。
ここで、やはり重要なのは課題が明確であったこと、それを解決するために試行錯誤したことだと思います。
この様な優れた発明をしてみたいものです。
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